ツヴォイの駅西経営相談所③「人は動かすことができるの?」
駅西経営相談所シリーズの3回目です。
経営者・ビジネスリーダーの方から圧倒的に多い質問や相談が、
社員やスタッフの「行動」や「実践」をいかにあげたらいいのか?
目標や行動計画への「モチベーション」をいかにあげるか?があります。
どうやったらいいんでしょうね?(笑)
今日のご相談者は、ファッション雑貨店を10店舗経営されている木下洋平さん(48才)です。
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Q.ツヴォイさん、こんにちは。
小売店を10店舗経営している木下洋平といいます。
20年前に独立してがんばりました。今では10店舗、スタッフ数100名になりました。
今、悩んでいることがあって相談です。
各店舗の数値目標や「やる事」は会議で決めるのですが、各店舗での実行がなかなかできず、思う通りに事が運びません。業績も上がらずこのまま拡大していくのは危険なような気がします。
ツヴォイさんは、1店舗から30店舗まで運営して、700名のスタッフと上場までいったと聞いています。
どうやって人を動かしたのか、教えて頂けませんか?
A.木下さん、こんにちは。
私も本当に苦しんだことで、実はいまだ解決に至っていない課題でして(苦笑)、とても人様にお伝えできることではないと自覚はしていますが、
この5年で最もご相談を頂いたり、経営者の悩みであったり、愚痴(笑)を聞くのも同じようなことだったりします。
苦労してイヤになったのは私が無能だからだと思ってばかりいましたが(苦笑)、
スタッフ数の数に関わらず、多くの方が人材育成の問題については課題と悩みを持っているのだとよく分かり始め、安心(笑)しているところだったりします(苦笑)。
逆に言えば、スタッフ数6名くらいまでの時と、700名に至るまでの企業の成長スピードと人数の変遷に応じて、都度、人の行動動機を創っていくことに、
様々なやり方を試みては、玉砕したり凹んだり(苦笑)、取り返しのつかないような失敗をした経験(苦笑)だけは、私はさせて頂いたとも言えます(笑)。
失敗まみれの経験しかない私が、正しい方法が分かっているわけではありませんが、ご相談頂くということは、もしかしたらご参考頂けることもあると思うので、やってきた範囲の中で最も効果的と信じていることをお伝えします。
結論を先に言うと、ご本人と、スタッフ一人一人が自分の「ビジョン」を創るのが、今の私の結論です。
社員一人一人にとってみれば、増える一方の行動量をやり切って、そこまでして数値目標を達成したとして、そんでどうなるの?
そんなことしたって、給与が倍になるわけじゃないでしょ?なんでそんなことまでせにゃいかんのかい?というのが本音です。
逆に言えば、もし達成できたら、そしたら自分にはどんな世界が待っているのか?どうなっているのか?どんな未来がやってくるのか?を具体的に克明に映像化できて、
何よりそれにワクワクしていても立ってもいられないという状態になれるか?ということになります。
しかも、全員がなれるかどうかです。
簡単に言うと、全員の「未来の映像化」ができるかどうかということになります。
「仕事と自分の人生が繋がる」ことが理想です。
自分事にならないと人はやらないのだと、私は私の経験から思っています。
以前の制作途中のラクガキ程度(笑)
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業績を上げるには「時間当たりの行動量を増やして生産性を上げる」というのは間違いありません。
しかし、誰もが、時間当たりの行動量を増やすことの意味や理由がなくては、ただ忙しくなるだけなんて、動きません。
何しろ私がそうですから、私は信じられます(苦笑)。
赤字家業を黒字転換する時も、ギリギリで株式上場に向かった時も、現実的にはリアルな数値との闘いであり、大小の我慢も無理な行動も続きましたが、
無理かも知れないことを突破できた時は、必ず「できた時の映像」と「できた後にはこれが実現できる映像」の2つの映像が、まるで過去起こったかのように鮮明で具体的で克明で色つきで頭の中にありました。
無論、煩悩や欲望に満ちたことも含めてです(笑)。よって、キレイごとだけでは無理だとも分かっているつもりです。
それができた時の感動というのは、私はきっと忘れないのだろうと思うし、こうして、誰かのお役に立てるかも知れません。
今のところは、高い志も、個人的欲望も両方必要だと思っていますが、何しろまずは創り切ってしまうことからでしょう。
どんな創り方をすれば良いか?は、ここでお伝えできる範囲では、ビジョン関連の本をたくさん読んでみて、一番自分に気に入った方法でやってみることをおススメします。
私は、映像(自分で描いたラクガキやイラスト)と、それを文章に書くという2つを時間をかけて作りました。
数値を上げていくということは、一人一人の行動に無理が生じるということです。
今までの何かの行動を我慢したり、新しい行動に対して無理も生じます。
我慢や無理をしてでも、それでも得たいと思える何かを自覚することです。
これがあるかないかでは、一気に加速度が変わります。
以前の制作途中のお絵かき程度(笑)
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一つ分かっているのは、これを聞いて、実際にやってみる人も少ないですが、
一人ではなかなか創れないということも、この数年で分かってきました。
こうなるともう、「ビジョンをわざわざ創る為のビジョン」がいるってことですかね(笑)。
「ツヴォイ式ビジョン創り」みたいなので、一定期間集中して創り上げる研修や塾を考えているところです。
まぁ、宣伝になっちゃいますけどね(苦笑)。
ここからは、なぜ、ビジョン創りに行きついたかのお話です。
辿りつくまでの私の悲惨な経緯を知りたければどうぞ(笑)。
長年やってきた経験上、まず、前提として「人を動かす」ことはできないということです。
私自身も、「他人から動かされる」ことはまっぴらゴメンな性分で(笑)、考えてみれば、きっと誰もが同じなのではないか?と思っています。
人は物や機械ではありません。なので「動かす」とういう概念がすでに違っていると思っています。
よって、失敗を繰り返しながら進むうちに、私は「人が動き出す時はどういう時なのか?」というそもそもの疑問と向き合うようになりました。
これが一つ目です。
二つ目に、6名までの時と、30名以上になってきた時と、100名以上になってきた時のやり方は全く違うということです。
例えば、スタッフ数が30名近くなった時に、6名の時にうまく行った経験の成果を出そうとすると、物理的・精神的・身体的に必ず限界が来て、自分が破綻するか、組織が破綻することを身をもって知りました。
これは、100名近くなった時に、30名までで成果を出した時の手法でも同じ理屈です。
この痛い痛い経験談は、またの機会にしますが、子供の頃から学級委員をはじめ、リーダー業をずっとやらされてきていて、そういう経験にそれなりに自信もあったので、私の中ではそのショックは相当に大きかったですね(苦笑)。
以来、私は自分のことをリーダーシップがあるとか、社員マネジメントができるという自覚を持ったことはありませんし、
「自分はマネジメントができる。得意です。」とか「社員マネジメントなんて簡単ですよ。できますよ。」と言う人に対しては、本当にそうなのか?できるのか?そうなりたいだけじゃないのか?と疑いの気持ちを隠せません(苦笑)。
「何人までは」という前提がついていない時点でおかしいと思えます。
社員が一人で上手くいっている経営者が、100人の社員で悩みを抱える人に「社員育成はこすればいいんだよ。」と言っても、説得力がないどころか、それは無知と言えます。
従業員数に比例した育成法だけは、経験以上はどうしても無理だというのが私の持論です。
逆に言うと、私は、1000人規模の会社の社員育成の相談には乗れないし、実際に来ませんものね(笑)。
経験上、一人のリーダーが、本当の意味で「人を見れる」対象人数は、6名までが限界ですね。それも、人の為に時間を使えるよっぽど優秀なリーダーです。
私で言うと、6名で限界を越える人数です。私の今の力量では4名までが精一杯ではないか?と自覚しています。
相当無理して12名、私の場合は8名が限界です。
これ以上になると、キチンとやろうとすればするほど、先にも書いた通り破綻します(苦笑)。
逆に言うと、キチンとやらずに、誤魔化し誤魔化し何とか続ければ、何とか続けられるとも言えますが、それも時間の問題というのは経験上分かっているつもりです。
他にも、
「あ・い・さ・つ」(相手より・いつも・先に・つける一言)の存在承認・努力承認・結果承認の手法や、
「なるほど5段階活用」「あえて言い負けて手柄を渡す作戦」とか、
手法ベースで言うと、いくつもやってみましたが、確かに成果もあったけど、自分自身が続かなかったり(苦笑)、新たな関門がやっきて玉砕したりと、散々な結果だったと言えます(苦笑)。
悲惨です(苦笑)。
私は、キャラクターやパフォーマンス上、いかにも得意そうに見られるかも知れませんが(笑)、それほどまでに「人が人を知る」というのは重要で難しいと思っています。
得意そうに見られるからご相談が来るかもしれませんが、大した実績はなく、今でも苦しみながらも諦めずに進んでいるという感じです。
まぁ、その方が健全とも思っていますが・・・・。
余談ですが、そういう実際の経験をしながらですが、人数が多くなると、6名単位での階層というような組織というものが必要になってくると、後付けで(笑)理解するようになりました。
「リーダーを育成しようとする」のと、
「リーダーを育成できるリーダーを育成しようとする」のと、
「リーダーを育成できるリーダーを育成できるさらなるリーダーを育成しようとする」のと、
これは全く違う能力と努力がいるというのが私の見解です。
人が動き出す心理というのは、基本的に二つしかないと教えられたことがあります。
「快楽」と「恐怖」です。
簡単に言うと、「アメ」と「ムチ」というやつでしょう。
「これができたら、このご褒美。」とか、
「やらなかったら、お前どうなるか分かってんだろうな!」とギャンギャン怒るとか、そういうやつです。
例えば「躾」段階といったような、短期的にはいいこともあるのでしょうが、これも人数の増加に伴い無理が出てきます。
何しろ、これが続くと、「外部からの刺激がないと動かない人」になってしまいます。
本来「なって欲しい人材」である、
「自分で考えて、自分かせ行動して、自分の事例をストックしていく人」
とはどんどんかけ離れていきます。
あるいは「社員一人一人と向き合うことが大事だ。」みたいな方法で、実際に一人一人と徹底的に時間を取って向き合って、食事も共にし、時間を共有しミーティングしたりしたこともたくさんあります。
結果、涙を流して「私は変わります!頑張ります!」となっても、3日で元に戻ることもたくさん経験してきました(笑)。
時間を掛けてきただけに、これが続くと、こっちがズダボロになってやられます(苦笑)。
プロの自己啓発セミナーのような外部研修も大いにアリですが、会社からの派遣である以上、やらされ感や業務の一つとしてこなす感は拭えない側面もあって、それを見ていた私の感覚では、受講した人は、2週間~せいぜい3ヵ月で効果はなくなって普通といったところです(苦笑)。
もちろんやらないよりもやった方がいいに決まっていますが。
何にせよ、企業である以上、業績アップに纏わる研修や訓練やセミナーは、業績アップという結果を出さねば、その効果かあったかどうかの証明ができません。
そこが重くのしかかります(苦笑)。
企業の成長の比例する社員数の増加の問題は、必ずと言っていいほどブチ当たる壁かと思います。
特に小売店や飲食店の出店スピードが上がる時というのは、メンバーが皆、同じ場所にいるわけではありませんから、人数に合わせた育成の仕組化が必要となってくるでしょう。
私の前職のリサイクルショップの時は、10年で上場まで向かったが故に、業績アップに基づく「人」の問題解決については相当な時間と悩みを要しました。
もう自分個人のスキルなどではどんどん対応ができなくなってきて(元々ないのだから(笑))、
最後の最後に行きついたのが、自分と関わるスタッフの「ビジョン作成」だったと言えます。
「動かす」のではなく、「動く」状態にいかに一緒になれるか?に対する、今のところの私の答えといえます。
直接「やったかやらないか」を管理するのは限界があるし、誰もされたくないし、本当は誰もしたくないのだと思います。
私は、するのも嫌いだし、そんなチェックなんて小学生でもやれるだろ?みたいな価値観もあって(苦笑)、好みませんでした。
それよりも、「いかにやりたくなるか?」の方へ考え方をシフトする方が、よっぽと効率的で速いと考えたのです。
これが有効なのは、一人だろうと、700人だろうと、適用できることです。
だれもが、自分の幸せや自分の成功や自分の豊かさや成長を願っているはずですから。
もしかしたら、社員数に関係なく、誰もが必要なことだとも仮説はできているので、私自身の次のステージとして、それこそ次の「私のビジョン」を練り直しているところです。
創るまでに少々時間はかかるかもしれないし、努力は必要かも知れませんが、
できてしまうと、一気に達成までの時間が縮まることも体感しています。
実際に、成果を出していて、「どうしてこの人はここまで徹底的にやり切れるのだろう?」と思える人に、よくよくよくよくしつこく聞いてみると、
必ず、このビジョンというのは明確で克明だったりします。まるで起こったかのように「未来の映像」が出来上がっていて、本当に嬉しそうに楽しそうに「もういいです。」と言いたくなるほどに話してくれたりするのです(笑)。
私も少しは経験しているつもりですが、本を読んでも、成果を出している人の実例もやはり同じなので、確信に近いものがあります。
なので、おススメです。
以前の制作途中の思いつくまま程度(笑)
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何より、まずは木下さんご自身が創ることです。
私なりの「ビジョン創り」の前提となる要素は、
① 過去の体験・経験を振り返る
② 未来の映像化
③ やらざるを得ない数値目標と行動目標
が必須です。
私も改めてやっているところなので、良かったら一緒に創りましょう(笑)。
書くまでには、自分を振り返り、見つめ直して、少々時間を要しますが、いざ書き始めてしまうと、4時間もあればで一気に行けます。
そういう場を実験的に創ってみるつもりなので、決まったらまたここでも告知してみますね。
良かったら実験台になって下さい(笑)。
最後はやはり宣伝ですね(笑)。