「顧客接点」の枠組みを考えてみよう
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あぶねー。
このサングラス、思わず買いそうになったよ(笑)。
名古屋の友人がやっているレディス・ユーズド「セルーバ」にあった商品で、
私の理性が頑張って高じて(笑)買わなかったので、多分まだあるはずです。
ブランド名、忘れちゃったけど(笑)、こう見えてちゃんとした有名ブランドのです。
もともと欲しいなんて思ってないどころか、こういうサングラスってのは頭の中に存在すらしていなかったわけで、
置いてあるのがレディスショップだから、そもそも買い物に行くという動機がない。
友人にたまたま用事があって伺って、そこで見つけてしまって、
結果として、思わず買いそうになってしまった(笑)、というわけですね。
消費というのは、「欲しい・欲しくない」という「情動」がまず発生して、
次に「買える・買えない」という「理性」が働く、
という順番があって、その2つを越えた時に消費行動が発生するわけで、
この「情動→理性」という順序は、基本、覆ることはありません。
このあたりはもう随分前から研究されているし、本などで出ていますから、今更、私が書くようなことじゃないんでしょうが、
街に出ると、やっぱり実感してしまうということがよくあります。
「売上を上げるにはどうしたらいいですか?」
と聞かれたら、時間がない時に私が答える結論はたった一つ、
「顧客接点を上げて下さい。」
とだけ言います。
講演やセミナーの基本軸にもしています。
誰をもってして「顧客」と定義するのかは考える必要はありますが、
要するに、
「用もないのに行きたくなる店」「用もないのに会いたくなる人」になるということです。
こうなると強いですね。
だって、実際に、私のような男性が、レディスショップに「商品を見たい」という目的なんてナシに、別の動機で行って、
プラプラと店内を見てて知らぬ間に「欲しい」という動機が働いてしまったわけですから。
そこには、店(人)と私の接点があっただけです。
レディスの服屋というと、どうしてもレディスの服を買う女性だけが「顧客」として考えてしまいがちです。
車屋さんというと、車を売っていて、車を買いに来る人のことを「顧客」と考えてしまいがちです。
それはもちろんそうですが、
でも、もう一回り枠組みを広げてみると、次のビジネス展開のヒントや可能性がたくさん出てきて、
それは、独自のものへとなっていく可能性はかなり大きいですね。
私の知っているビジネスで調子を上げている人達は皆、
「商品軸」よりも、「人軸」が先にある人達で、
そして、大した用もないのに(笑)あれやこれやと何かと色んな人達といつも会っていたりします。
「ほんまにこいつら大丈夫か?」(笑)と思えるほど、人と楽しく関わっている人達が多い。
すなわち「ビジネス目的じゃなくて、用もないのに会ってるし、用もないのに行っている。」という魅力に長けています。
一見、ただ遊んでいるだけのように見えますが、
ただ「楽しむ」というだけではなくて、楽しむ中から次のビジネスにリンクさせていくセンスがとてもいい。
見ていて、本来の商品開発とか事業展開というのは、そういう「センス」がものをいうんじゃないかなぁ、と思えるのです。
そういう「センス」のことを、私は「編集能力」と呼んでいるのですが、このあたりは、まぁ、一緒に話しをしながら進めていかないと、分かるようで分からないですから(苦笑)、
文章でちゃんと書けるようにできるかどうかは研究の余地ありですね。
簡単に言っていまえば「商売の基本は人と人」、なんていう根幹論程度で誰でも分かったようなことを書けてしまうのですが、
その意味合いとか、思考というのは、書いている本人がどこまで分かっているのかがそもそも分かりませんからね。
もちろん、私も含めて(苦笑)。
まぁ、そんなようなことを考えながら、次のお仕事のミーティングに行ってきますね。
あぁ、それにしても、あのサングラス、「もしかしたらこういう時に使えるかも知れない。」「こんな場面で有効かも知れない。」「だから、買っておいた方がいいかも知れない」、と、
必死になって自分の「理性」を納得させようとしている自分が困ります(苦笑)。
なんで、あんなの欲しいんだろ?俺(苦笑)。