ツヴォイ式お絵描き087「スティーブ・マックイーン」25
名だたる映画スターには、時に異色作というのがあるのだと思いますが、
「スティーブ・マックイーン」においては、私の中では、この
「華麗なる週末」(原題:The Reivers・1969年・アメリカ映画)
が最も異色作として認識されています。
アンチヒーロー、男くささ、本格的アクション俳優としてのキャラクターが最も確立されていますが、
後年には演技派俳優としての道筋を明らかに意図していたと言われていて、確かにその通りと思います。
ただ、この映画は数少ないドタバタコメディ映画として評論されている作品で、
あまりにメジャーではなく(笑)、代表作ではないにしても、あまりに表にでることはなかった故、
私の中では興味が深まっていった映画です。
マックイーンにのめり込んでいく過程の中で、後年になって、やっと見つけて観れた映画の一つです。
抱いていたマックイーン像とは全く違う役どころで驚きました(笑)。
確かに数あるマックイーン作品の中でも不評で、ヒットしなかったのも頷けます(笑)。
しかしながら、そこはそれ、もうマックイーンなら何でもいい、という盲目的ファンになってしまっている私にとっては(笑)、
そうか、こんな役どころもサラリとこなしてしまうあたり、やっぱりプロ中のプロなんだな、とか(笑)、
撮影された70年代近いヘアスタイルに新鮮さを覚えたり(笑)、
柄物のピンクのシャツがやけに素敵に記憶に残ってしまって、古着で似たようなのはないかと探したり、と(笑)、
そうか、ファンビジネスというのは、ここまで魅了してこそファンビジネスと言えるのだな、と、
文字通り、その人が好きなら何でもあり、という基準もまたマックイーンから勝手に学んだと納得するわけです(笑)。
私の中では、正しく、その人が好きなら何でもあり、を象徴するマックイーンの映画ですね。
しかしながら、物語は内容はとっても良くて、
舞台は1905年のミシシッピー。自動車が発明された当時。
11歳になる少年が、四日間の旅の経験で、現実の厳しさや大人の裏側を突きつけられる中、
マックイーン演じる「ブーン」始め、優しい大人達に牽引されながら、大人へと旅立っていくという素敵な物語です。
やっぱり、こうして素敵になってしまうわけですね(笑)。