「原理原則」と「独自性」を組み合わせる
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2人のサンタさんがいて、真ん中に立ったらグラデーションのイメージになるかと写真を撮ってもらっていたら、
単なるアホポーズをとっているオッさん全開で、写真待ちの人達に笑われました(苦笑)。
私としては、片方の軸と、片方の軸が融合するようなイメージにしかったんですけどね(苦笑)。
これからのビジネスにおける独自性とは何か?について、
経営者やビジネスリーダーの方達からよくご相談をお受けするし、
私の講演やセミナーのテーマとしてお伝えすることがあります。
間違ってはいけないのは、「独自性」ではなく「ビジネスにおける独自性」ということです。
そこをわざわざ認識しておかないと、ビジネスが前提であるはずなのに、
独自性はあるけど、ビジネスは成立しないというジレンマが起こる場合があります。
仮に、片方の「独自性」ということだけなら、本来、人というのは、同じ人はいなくて、
もともと自分だけなのですから、生まれつき独自性を持っています。
だから、生きているだけで「独自性」があると言えます。
でも、どんなに独自性があっても、小さな子供にはビジネスはできません。
この時代のビジネスにおいて、独自性は必須なれど、独自性だけではビジネスは成立しないという私の考えはここにあります。
もう片方で、「ビジネス」には原理原則があります。
言い換えれば、不変の法則の「型」とも言えます。
不変なので、好きだろうと嫌いだろうと、どうしたくとも、変えようがありません。
誰もが同じ土俵・ステージの上ということですから、独自性がある・ないに関わらず、まずは知らねばなりません。
例えば、「粗利額−経費=利益」ということは変えようがない算式だし、
粗利額を上げるには、売上を上げるか、粗利率を上げるしか手がないし、
売上を上げるには、客数を上げるか、客単価を上げるか、購買頻度を上げるしか手がありません。
あるいは、事業や商品の需要と供給のバランスいかんによって、
どんなに努力しても効果が出ない場合もあるし、何もしていなくても一定期間の実績が上がることもあります。
これらのいくつかを、一つ一つ丁寧に分析していって、ピンポイントで具体的な手を打ったり、情報発信をした結果、業績が回復したという例は結構あります。
ところが、これは、調べることそのものが時間を要して結構面倒くさかったり、分かったところでやりたくなかったり、好き・嫌いだったり、行動パターンを変えるのが最大障壁だったり、
そういう個人の特性によって、最大効率をあえて無視して、どれをやって、どれをやらないかという選択は起こります。
こういうことは往々にしてあるわけですが、でも、それがダメなのか?というと、
私は、それが人間とも言えると思うし、それが当たり前だとも思うのです。
要は、人は、結局のところ自分の好きなようにしか動かないのではないか?と思うのですね。
だから、経営者やリーダーの特性やキャラクターをよくよく見て、知って、
どうしていくか?どんな具体的な一手をうっていくか?
という打ち合わせはとても大切だと思っています。
少人数の会社ならまだしも、多くのスタッフがいる会社で、この前提となる枠組みがないのに、無責任に「好きなようにやれ。」と言うと無茶苦茶になります。
好きなようにしたら、ある意味、独自性は生まれるわけですが、
それで、業績が上がるかどうかは全く分かりません。
「アホ」と「アホのように見える」のは違うし、
「カッコいい」と「カッコよく見える」のは違うように、
「好きにやっている」のと、「好きにやっているように見える」のは全然違います。
継続して実績を上げている人や会社というのは、「○○のように見えている」だけで、
話をよくよく聞いてみると、原理原則をしっかり押さえた上で、「○○」という独自性を出しています。
そう考えると、「ビジネスにおける独自性」というのは、
① ビジネスの原理原則の軸
② 独自性の軸
という二つの軸の組み合わせであり、編集であるとも言えます。
それが「自分らしいビジネス」ということになるのでしょう。
ただ、講演やセミナーでは、①はほとんどお話できませんね。
一定期間が必要です。
基本を時間をかけて進めながら、積み重ねていく過程の中で、見えてくる手はいくつも出てきます。
「ビジネスにおける独自性」というのは、ないものを見つけにいくことではなく、ビジネスの原理原則を理解し、進めていく中で、
人がやっていれば、自然と出てくるものなのかも知れません。
この順序を間違えて継続的に成果を出すことはほとんど稀でしょう。
面倒なのは、「独自性」を謳うまともな発信者は、この「原理原則」を前提にしていることです。
前提が故に、それを言わないことなんですね。
だから、単なる独自性なのか、ビジネスにおける独自性なのか、聞いてる方は、見分けがつかなかったりします。
私も、時間が限られた講演やセミナーでは、知識ベースの話はほとんど話せません。
故に、受け手によって、勘違いが起きる可能性は十分考えられるわけです。
そんなわけで、一定期間を通して、少人数制で、「原理原則」と「独自性」の編集をかけながら、
一社一社、その人に合った有効な独自性を創り上げていけるような年間プログラムができないかと、
実は考えて準備したりしているところです。
この一年、ずっとそんなことを考えていたりします。
実験できそうになったらまた告知してみますからね。
ということを、2人のサンタさんを、2つの軸に例えて、
私が組み合わせしているように見える画像にしたかったわけですが、
これは、単なる「アホ」にしかならなかったというわけでした(苦笑)。