本物でない誰かが本物になる条件
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外は寒いと思って出てみたら、予想外に暖かくて、レザージャケットを脱いで、
暖かいなと思って車内に入ったら、寒いと感じてレザージャケットを羽織って、
予想していたことや、普通は外が寒くて中は暖かいという自分の中の普通は、
予想に対してまるで反対のことはよくあります。
車中が予想以上に寒くて、脱いだレザージャケットを身体にかけました。
未来のことなど、0.1秒後から、10年後に至るまで、まるで分からないわけで、
未来に対してあるのは予測だけです。
未来予測はどこまでいっても予測ですが、
予測のバリエーションの数に対しては、人によって違います。
その数は、今この瞬間までの、リアルな体験や経験に比例するでしょう。
私はこのリアルな数の多さこそが力だと思っています。
体験や経験は、時に傷がつくことも多々あるわけで、良いことばかりではありません。
むしろ辛いことや、苦渋の選択をしたとしても、誰からも理解されなかったり、
誰かからは誤解されたり、誰かから嫌われ、さらには恨まれたりと、そんなことの方が多いとも言えます。
それは、体験・経験が進むリスクと言えます。
しかしながら、傷つくことを避け、そのリスクを取らずに時が経ってしまうリスクは、
取り返しのつかないリスクとなり、それこそが人生最大のリスクと言えると私は思っています。
そうやって傷つきながら、経年変化と共に、まるで別物のような魅力が、自分だけのものになっていくレザージャケットが、
いつまでも私は好きで、いつまで着続け、
まだ見ぬ明日の、より傷と皺が増しながら、
圧倒的なオリジナルの艶と色気を実感する度に、
私もそうなりたいと、ずっと明日のまだ見ぬ自分に憧れ続けているのだと思います。
経営において、キリがないことが分かっていながらも、起こるであろうことに対する予測は、
それまでの全ての体験・経験をブチ込み、
それでも、性懲りも無くまた違った予想外のことを受け止めながら、
新たな傷や皺が増え続けながら、
そうやって少しづつ少しづつ、そして気づけば、本物の魅力たる力が付いていくのだろうと、
まるでペラペラの私にも、こんな私とも関わってくれるまだペラペラの他人にも、
長年のレザージャケットの経年変化の魅力を信じている私は、
必ず本物となっていくことと信じています。