「上り」も「下り」も登るしかない
1つの事業の「利益」(※売上でなく利益)には「上りエスカレーター」と「下りエスカレーター」があります。
それが「事業環境」「業界環境」や「時流」という端的な言葉で表されているのだと思います。
「上り」の乗っていれば、極論、立っているだけで何もしなくても上がっていくし、
「下り」に入ったら、人の倍以上働いても、やっと同じか、今まで以下の報酬(利益や給与)にしかならないということです。
時系列の違いや、要因の違いはあるものの、
どんな「上りエスカレーター」も、いつか必ず「下りエスカレーター」になるのが事業の前提です。
自分の「廃業」と「上場」の事例や、多くの経営者の事例を見てきての範囲ですが、
一度「下りエスカレーター」に入ったら、事業そのものが変わらない限り、元の事業の利益が上向くことはありません。
私の場合で言うと、
後継者で「廃業」した「洋傘製造販売」の環境は「下りエスカレーター」で、
上場した「リサイクルショップ店舗展開」の新たな環境は「上りエスカレーター」だった、
ということです。
私個人の実力があったからだと思い込みたいものの、現実は、そもそも、実力という領域そのものがないのは分かっています(苦笑)。
成熟期である現代ビジネスの大きなリスクの一つは「上り」が「下り」になるスパンがどんどん短くなることです。
自分の今の事業が、「上り」か「下り」かは一定の指数によって仮設することはできますが、
現実は、「上り」だろうと「下り」だろうと、要するに「登り続ける」ことくらいしかできません。
ただし「登り方」は大事で、これを「努力の方向性」というのだと思っていて、
「努力」の定義と、「方向性」の創り方はとても大事だと思っています。
でも、どんなに仮説を立てたところで、まだ見ぬ「未来」に対する仮設に過ぎないので、
煎じ詰めれば「登り続ける」ことくらいしか前提はないのだろうな、と、
そんなことを考えながら、
エスカレーターを登っているの画像を見て、
これは「上り」を登っているのか、「下り」を登っているのか、忘れてしまっているけど、
まぁ登っている感じなのだから、まぁいいか、と思うのでした(笑)。