ツヴォイ式お絵描き043「プラダを着た悪魔」01
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「タワーリング・インフェルノ」が、スティーブ・マックイーンとポール・ニューマンのライバル夢の共演なら、
若手と大御所の人気本格女優2人が、真正面から最高の演技で激突する(私個人の認識(笑))のが、
「プラダを着た悪魔」(2006年・アメリカ映画(原題「The Devil Wears Prada」)。
現代のオードリー・ヘプバーンと言われる、主人公の「アン・ハサウェイ」の若さで圧倒的に輝く可愛らしさに、
大御所「メリル・ストリープ」の圧倒的な熟練の演技が容赦なく覆いかぶさって(笑)、全編にわたって見応え満載です。
私が就職したのは、当時の大手アパレル企業でした。
配属されたのがパリコレ・ブランドだった関係で、パリ・コレクションにも仕事で行かせて頂いたり、日本での展開・営業に至るまでの様々な経験をさせて頂いたのですが、
その華やかなイメージとは裏腹の、一番下っ端の若手時代に味わう、理不尽と過剰労働の渦に悶絶する日々を過ごしていたわけですが(笑)、
当時の仕事や生活を思い出させてくれるような、ファッション業界のリアルな現実や過酷さがよく出てきて、
バブルの高度成長期のど真ん中で、少しづつ社会やビジネスの現実を学んでいった懐かしさも、観ながらにして込み上げます。
ただ、劇中の中には、現実経営や実際のビジネスシーンに役立つ名場面もたくさん出てきます。
いくつかあるうちで、特に私が気に入っているのは、
世界的ファッション誌の悪魔の編集長ミランダ演じる「メリル・ストリープ」が、
「巨大資本と無数の労働の象徴」
をブルーのセーターを具体的に例えながら、アシストのアンドレア役の「アン・ハサウェイ」を完膚なきまでに喝破するシーン(笑)。
この資本主義社会の現実的な構造・本質をものの一分で解説してくれているシーン。
ここは理解しておいた方が良いと思う名場面です。
他にも、
「じゃあ、辞めてしまえ。代わりは5分でみつかる。」
「君は努力していない。ただ愚痴を並べているだけだ。」
「ミランダは、ただ自分の仕事をしているだけだ。」
等々、社会の現実を一撃で痛快に表現しているシーンなど見所満載です。
この映画もまた、経営者やビジネスリーダーはもちろん、これからビジネスシーンに出ていく人には必見の経営研修映画の一つ(笑)です。