それは「悩み」ではなく「前提」だろ(笑)
例えば、社員の立場の人と話しをしていると、
「仕事でやりたいことができないんです。」
と本気で悩んでいる人はいます。
愚痴ならまだしも、本気で悩んでいたりします。
悩む必要がありません。それは「悩み」ではなく「前提」と言えるからです。
「社員」という立場を選択したということは、「社員」というメリットを自分で選択して、そのメリットは既に得ているということになります。
それは、例えば、個人の業績や能力がどうあれ提示された月の給与は保証されていたり、資金繰りの心配もいらない、休みは休みと割り切れる、といった、
一言で言うなら「安定」があります。
(果たして今の時代、社員でいることのメリットや保証がどこまであるかは分かりませんが。)
ただし、一つのメリットは、必ず反対側のリスクも生み出します。
毎朝決められた時間に出社するとか、部署移動など立場が一方的に決められるとか、バカな上司の下にいるとか、やりたくもない仕事が降って湧いてくるとか、行きたくもない社内行事や飲み会に行かねばならないとか、
まぁ、そういう類のことでしょうね。
そもそも「社員」という立場は、
「会社から依頼される仕事に対して、自分の労働力を提供して、その対価として給与をもらう。」
という前提があって、「それでいいですよ。」という了解のもと、就活をして、採用され、契約がなされ、「社員」という立場が成立しています。
それが「前提」である以上、「自分がやりたいことだけやれるかどうか」は、「希望」であっても「前提」にはなりません。
恐らくはそんなことは当然だし、分かってはいることなのだろうけど、
でも、しかし、「悩む」のだから「悩み」というのは面倒くさい(笑)。
相手が悩んでいる場合、私にはいくつかの選択肢しかアドバイスができません。
① 独立して、自分がやりたいようにやる
② 我慢して仕事は仕事、そういうものなのだと割り切って生きる
③ 今の仕事が何であれ、楽しめるように自分で工夫する
このあたりでしょうか?
それ以外の方法は私は知りません。
悩んでいる人の「①の独立」は、ほとんどないですね。お金の問題や、顧客創造に自信がないとか、まぁ色々とありますが、
独立するリスクは負えないということでしょう。
だから「社員」をやり続けているわけです。
「②の割り切り」は、結局現状のまま変わらなくて、今を継続するということですから、「悩む」だけ無駄ということになります。
一番良くておススメは「③の自分で楽しむ工夫」ですね。これしかありません。
社会的立場がどうあれ、これができれば、生産性は上がるし、成果に繋がる可能性は高くなるし、社会から必要とされる人になるでしょう。
でも、これができている人なら、こんなどうでもいいことで「悩んでなどいない」わけですものね(苦笑)。
そう考えると、社会的に大人でいられるかどうかは、
「選択した立場に対するリスクを自分で取れるかどうかに集約される」
のだと思うのです。
それは「悩み」ではなく、「前提」であり、
「前提」を「課題」に変えて、
「課題」を自分で克服できるよう、思考や行動ができるかが、とても重要なのでしょう。
私はそう思います。
今回は「社員」というステージを例に出しましたが、
立場を変えてみても、同様のことが良く起きます。
「社長」は社長で、自社の社員はどうしてこんなにダメなんだと、本気で悩んでいる場合もあるし、
(そんなもんは、ウンコの周りにはハエが集まるからに決まっている(笑)のだから、蝶やミツバチが欲しければ自分が花になるしかないけど、その努力はしたかないとか(苦笑))
「後継者」は後継者で、会社が思い通りにならないことで本気で悩んでいる場合もあるし、
(そんなもんは、有形無形の資産や顧客を楽して手に入れるメリットを取ったリスク側なのだから、嫌なら後継しなきゃいいだけ。)
どんな社会的立場であれ、選択したメリットがあるのなら、
相反するリスクとなる「前提」は必ずあるのです。
その「前提」を悩んでいても仕方ない。
「悩み」というからには、「自分だけ」と思っているのかも知れませんが、
それは社会的前提」だから、個人の問題ではないのです。
もし、最初に得ようとしたメリットを維持したいのなら、同時に発生する「前提となるリスク」を何とか解決していかねば、本来選択したメリットを失うわけですからね。
私はこれまでに、様々な社会的立場を経験させて頂きました。
「アルバイト」から始まり、「社員」「後継者」「専務」「社長」「副社長」「資本家」「プロの経営者」「中間管理職」「プロジェクトリーダー」「無職」「個人事業主」等々、
それで分かったことは、それぞれに「メリットとリスク」は必ずあるということでした。
どこにどう動いても、表裏一体で必ずありました。
私はとにかく「隣の芝生が良く見えるタチ」なので(苦笑)、それぞれの立場毎に、それなりに「悩み」を抱えたりしながら、
隣の芝生のメリットを見ては、羨ましがりながら、いつしか、その立場になり、メリットを得ては、また「悩む」ことを繰り返すわけです(苦笑)。
そういうアホとしか思えない(笑)いくつかを経験するうちに、やっと気がつくわけです(苦笑)。
「それは悩みではなく、前提だったのだ。」
と(笑)。
ビジネスの様々な立場の方と話をしている時に、
「それは『悩み』ではなく、『前提』だろ。」
とバッサリ思うことがあるのは、そういう実体験を通して、私なりに自覚したからなのかも知れません。
だから、すぐに、
「そんなに悩んで嫌なら辞めちゃえばいいじゃん(笑)。その方が早いよ(笑)。」
となってしまいます(苦笑)。
一つ、よく分かったことは、どんな立場でも成果を上げている人というのは、
選択した立場を謳歌しているのではなく、前提となるリスクに対して楽しめる工夫をしている人だということですね。
自ら「選択」した方は楽しいに決まってるし、「前提となるリスク」も楽しんでしまっているのだから、
結果として「全部楽しい」となるわけです。
だとすると、やはり、いかに、
「何でもかんでも楽しめるか?」
というのが、楽しくて幸せで成果も上がる生き方と言えるのだろうな、というのが、今のところの私の結論なわけです。
「選択したメリット」より、「前提となるリスク」を楽しめるか?を工夫できる方が大事です。
生きるか死ぬかならまだしも、たかが仕事程度のことであれば、
それくらいの能力は自分で勝手に磨けばいいと思うのです。
「楽しいことを楽しむ」のではなく、「やりたくもないことをいかに楽しむ」か?
実はこれが最も大切な能力であり、必要な工夫であり、豊かな人生の近道であると信じています。
私の持論に限っては、「嫌なことはやらない」のではなく、「嫌なことすらも楽しめる自分かどうか」です。
なんでかというと、私の場合、生きてると、ほとんど毎日多かれ少なかれ「嫌なこと」は確実に起きるので(苦笑)、
「嫌なことはやらない」となると、「生きることをやめる」ことになるので、
それはちょっと勇気がないとなるわけです(苦笑)。
かといって・・・・・。
あぁ、それにしても、今日もあれやこれや面倒くせぇ、という前提に悩まされている私ではありますが(苦笑)。