ツヴォイの駅西経営相談所①「利益はどうやって上げるの?」
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色んな経営者やビジネスリーダーの方から、ご相談を受けることがあって、そのやり取りを共有できたら、
「きっと同じような悩みを抱えた方の参考になるだろうなぁ。」
と思うことは多々ありますが、そのままストレートに出すとシャレにならなかったりするので(苦笑)、
具体的には出せなかったりします。
そこで、いかにもいそうな架空の人物をイラストの相談者に見立てて登場してもらったらどうか、と一応考えて(笑)、
そしたら、体よくラクガキもして遊べるじゃんと思って(笑)、やってみました(笑)。
題して
「TOSBOI STUDIO 坪井秀樹の駅西経営相談所」
です(笑)。
第一回目のご相談者は、食品卸会社の後継者・大森亮平さんです(笑)。
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Q.ツヴォイさん、こんにちは。
私は、食品卸会社の2代目経営者です。経営者の心構えを学ぼうと、勉強会やセミナーを受けて、高い志と、やり抜く覚悟はできたつもりですが、具体的に何をどうすれば会社の利益が上がるのか、よく分からずに悩んでいます。
父は、業績が悪くこのままでは会社がつぶれると言っています。
ツヴォイさんは、赤字経営の家業を黒字転換されたことがあるとお聞きしました。何をどうやったのか、教えて頂けないでしょうか?よろしくお願いいたします。
大森さん、こんにちは(笑)。業績が落ちている段階での後継の厳しさと苦しさは、経験上よく分かるつもりです。
私が後継者時代にやってきたことを、過去ブログのリライトしながらお答えしますね。
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A.「業績・利益を上げるにはどうしたら良いのか?」という相談はよく受けます。
経営には、様々な側面からのアプローチはありますが、ここでは、「一定期間に利益を上げる方法」を知識ベースでお答えしますね。
知識があっても実践経営はできませんが、知識がないと何を動いていいか分かりません。
知識は、本屋さんに行くなりすれば比較的簡単に手に入ります。
その行動すらせずに悩んでいるということ自体、果たして「気合と根性だけはある」と言えるのかどうか疑問とも言えますが(笑)、
今回は、大雑把に「利益を出す方法」に対して、私が実際にやってきた知識ベースでお答えしたいと思います。
まず、短期(1年以内)の損益において、利益を上げる方法は、大きくは二つしか手はありません。
「利益」が出る公式を、最も単純化してみると、
「利益=粗利額-経費」
です。
(粗利額が何か分からなければ、それはもう自分で調べて下さい(笑)。)
よって、利益を上げるには
A・粗利額を上げる
B・経費を下げる
この二つ以外にはありません。
この二つをさらに分解していきます。
まずは「A・粗利額を上げる」からです。
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A・粗利額を上げるには、
a・売上を上げる
b・粗利率を上げる
の2つしかありません。
aとbをさらに、分解すると、
a・売上を上げるには、
①・客数を上げる
②・客単価を上げる
の大きく2つです。
b・粗利率を上げるには、
③・売上構成比の高い商品の粗利率を上げる
④・粗利率の高い商品の売上構成比を上げる
の2つです。
次に「B・コストを下げる」を分解してみます。
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B・経費を下げるには
⑤・経費そのもの(人件費・販管費等)そのものを下げる
⑥・必要時間を下げる
(簡単に言うと『時給2,000円の人の仕事を、時給800円の人にいかにシフトできるか?』を考えること)
の2つしかありません。
こう考えてみると、利益を上げる為に具体的に打つ手は、大きく6つしかありません。
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①客数を上げる
②客単価を上げる
③粗利率の高い商品の売上構成比を上げる
④売上構成比の高い商品の粗利率を上げる
⑤コストそのもの(人件費や販管費)を下げる
⑥必要時間を下げる
この中からの選択と意思決定がまず最初です。
どれかを取れば、どれかに負担がかかるのが普通です。
例えば、売上を取りに行けば、粗利率が落ちるし、販促コストがかかるのが一般的です。
最も良い選択をする為には、それぞれの項目にできる限りの具体案を出すことです。
一つの項目について、考えつく限り出し尽くしてみることです。
自分一人でも、社員にも、勉強会の友人に手伝ってもらってもいいので、できるだけたくさんの案を書き出してみることです。
選択肢が増えるだけでも、まだやれることがあると精神的に余裕ができます。
まずは書けるだけ書き出すことですね。
そこからの取捨選択ですが、
「① すぐできて ② 誰でもできて③ 最もコストがかからない方法」
から入る手と、
「同じ労力なら最も効果的と思える項目」
から入る手と、2つがあります。
それは、緊急度と、社内人事体制や関係性によっても変わってきますので、よく考えるところです。
要点としては、適切な知識に基づいて、選択肢を増やし、打つ手を決めましょう。
ポイントは、「一定期間に一つ」ということです。
どれか複数を一度にやろうとすると、互いに引っ張り合ってうまく行きません。
ちなみに、私が取った最終的な手は④「粗利率の高い商品の売り上げ構成比を上げる」でした。
その代り、行動量が圧倒的に増えて、大変と言えば大変でした。
そこで初めて「気合と根性」は試されたと思います。
「気合と根性」というのは、やることを決めて、やり抜くかどうかの段階で初めてが問われる要素であることを忘れないで下さい(笑)。
方法論としての原理原則としてお伝えできるのは、一旦はここまでです。
図解しておきますね。
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私は、衰退業態の家業で、相当無理をしながらも仮説を立てては実験しました。
私の場合は、どの手で行っても、一撃必殺の手はありませんでした。
ただ、色々やり続けるうちに、結果として、
単年度△4,500万円の赤字を、2,500万円の黒字に転換
できた事実はあって、それには当然ラッキーや運もありましたが、
しかし、「一定期間に利益を出す知識」という意味では、上記6つを基本にして、シンプルに考えて動いたということも事実であり、
その後の経営における血肉になったことは確かです。
今回の公式は、どの業種業態でも当てはまる原理原則のはずです。
「育成が大事だ。」「社員のモティベーションを上げる」という、社員に「やる気と根性」にのみ訴えることを終始する人は、
大抵は、何にどう手を打つのか、ご本人が何も決めていない場合が多いですね(苦笑)。
「モティベーションを上げる」というのは、具体策が決まった後の問題です。
よく間違えるのは、
「気合と根性」はとても大事ではありますが、そんなものは、社会に出る上での前提とも言えます(笑)。
ここを忘れないようにして欲しいものです。
さて、方法論としてはお答えしました。
実際にやってみるかどうか、大森さんが既に持っている「気合と根性」を基に是非頑張ってみて下さい。
知識が手に入っても、「考えること」「書き出す」ことすらやらない人が圧倒的に多い中(苦笑)、きっとやられることと信じていますし、応援しています。
やっていく中で、また質問が出てきたら連絡をお待ちしていますね。