憧れと絶望のファッション哲学・47「スウェードジャケット」

スウェード素材は、気が付けば好きになっていた、という感じの素材で、
よくある、
「最初は何とも思ってなかったけど、気が付いた時には好きになってたの。」
という、あの訳の分からない、理由になっていないような恋愛理由(笑)を、
私は、スウェード素材に置き換えれば理解できるような気がします(笑)。
大学生の頃、吉祥寺の裏路地にある小さなアメカジ屋さんで、セール品の柔らかなヌバック素材のジャンパーを見かけて、
一旦は店を出たものの、どうしても気になって、店に戻って、購入したのが最初の起毛レザーでした。
お店の可愛らしいアルバイトの女の子が、
「良かった。さっきオーナーが来て、そろそろ店頭から外すって言ってたから。」
と笑顔で言ってくれたのがとても印象的でしたが、
それは、「気づいたら好きになる」ドラマには展開しませんでした(笑)。
そのジャンパーはもう手元にはありませんが、
きっと、もう60歳に近くなっているだろう、あのお店の娘は元気でいるのだろうかなぁ、とスウェード素材を見ては、時々思い出します(笑)。