一見バカげたアイデアの中に本質は宿っている。
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髪の毛を切ってきました。
まぁ、そんだけのことなんですけどね(苦笑)。
以前、まだ20代後半の頃、経営者勉強会の場で、美容室経営について参加者で討議する機会があって、
「どんな美容室だったら行きたくなるか?」
という設問に対して、20名ほどのメンバーが一人一人即座に答えていくというのがありました。
ほとんどの人は「好きな髪型にカット・パーマしてくれるところ。」とか当たり障りのない答えで、
私も、そりゃそんな感じの曖昧な答えしかできないなぁ、と思いながら、
でも、高校生1年の頃、卓球部でスポーツ刈りにしなきゃいけなくなって、
イヤイヤ刈って、それが嫌で嫌でしかたなくて、せめて、遠足とか修学旅行とか学祭の時だけは髪の毛伸びてればいいのに、と思ったことを思い出して、
そうか、同じ好きな髪型というなら、髪の毛切るだけじゃなくて、髪の毛伸ばしてくれるとこがあったらスゲー嬉しかったろうなぁ、とか、
幼少の頃、祖父母の家に遊びに行った時に、毎度のように祖母のカツラを見つけて、兄弟で頭に乗せて鏡を見ては、キャッキャと喜んで遊んでた時はホントに楽しかったなぁ、とか、
そんなことを思い出して、
「髪の毛伸ばしてくれる美容室あったらスゲー流行ると思います!」
と発表したことがありました(笑)。
要するに、今日の画像の使用前・使用後の、右からも、左からも、どっちからもどっちに選択できれば、
お客側はTPOによって自由に髪型を選択して楽しめるし、店側は都度需要が増えて業績が上がるからいいんじゃねーか?と、単純に思ったんですね(笑)。
まぁ、アホと言えばアホなんでしょうけどね(苦笑)。
真面目な場だったので、反応のほとんどは、失笑とか冷ややかだったのですが、
会を進行してた方が、画期的なビジネスモデルを展開してる方で、
「その発想は、またスゲーなぁ(笑)。」
と喜んでいたのが印象的でした。
ほとんどの人は、若造がまたふざけてるとか、ウケ狙いとか思ったかもしれませんが、でも、私は私で結構真面目に考えてて、
だって、そもそも美容室というのは、カッコよくなりたい、とか、モテたいとか、新鮮な気持ちになりたい、とか、リラックスしたい、とか、まだ見ぬ自分と出会いたい、とか、
私自身の経験則から、そういう動機が客側の根本だし、本質だと思っていましたから、
それなら、「切る」ことだけに何故限定されなきゃいかんのか?と気づいて、そういう発言になったわけです。
当時は、カツラと言えば、いわゆるカツラでしたし、決してカッコいい印象のものではなかったから、オシャレな美容室を実際に運営している人からしたら、とても現実的とは思えなかったろうし、
言った私も、そこまで本気で具体的な方法まで考えて発言したわけではなかったので、まぁ、その場はそのまま流れて別の論点へと向かいました。
でも、月日が経って、カツラとか、つけ毛というのは、エクステとかウイッグとか(よく知らんけど(笑))、カッコいい名前になって、一般化された身近なオシャレ小物として発展していることを考えると、
新たな商品開発というなら意味ではあながち間違っていなかったんじゃないか?と思えます(笑)。
思えば、あの時、私の発言を面白いと認識してくれてた数名の経営の先輩達は、
あの時も今も、時流に合わせた独創的なビジネスを展開されています。
当時から、極めて早い時期から、モノやサービスを売るという場から、体験・経験を提案する場へのシフトをしている方達でした。
私が、会議やミーティングの場で案出しをする時は、「どんなに些細でも、バカバカしいと思えても、思いつきでも、とにかく思いついた案は出しまくろう。」というのを推奨するのは、そういう経験が影響しているのだと思います。
そういう些細なアイデアの欠片の中に、大きなヒントや本質が隠されていると思えらのです。
そもそも、新たな何かを創り出そうとしているのに、今の今、すでにある規制枠や常識の中で考えていること自体、新しいものではありません。
常識とか規制枠にとらわれ過ぎると、新しい発想なんてまるで出てきません。
ということは、そういう時は、アホになることです、アホに(笑)。
アホだと思われたり、バカにされるのが嫌な気持ちは誰にでもあるのでしょうが、
所詮、アホはアホなんだから、仕方ないと割り切るべきと私は思うのです(笑)。
と、いうことを髪の毛を切ってもらいながら思い出して、まるで生産性のなさそうなアホみたいなことばっか考えて、考えるだけなら、まぁ、そんでいいんだな、と自分を勇気づけるのでした(苦笑)。