頭角を現す人には共通項目があるとするなら・・・・
朝早くの飛行機の窓から、雲海のずっとずっと向こう遠くに、明らかに富士山だと分かる富士山が見えてました。
突き抜けてるってのは、新幹線の中からだろうが、飛行機の中からだろうが、こうして「そこのそれ」と、どこから見ても突き抜けてることが分かるってことなんだろうな、と、富士山スッゲーな、と思うのでした(笑)。
まだ30歳手前の頃、家業の業績回復を何とかしなきゃいけないと悪戦苦闘する経営者として駆け出しだった頃、
師事していた10歳ほど年上の憧れる経営者の方に訊ねたことがありました。
「いま、あちこちの経営者の方達から、様々な経営者勉強会に誘われていて、どれも行った方がいいのは良く分かるのですが、どこも時間的には取られそうだし、それなりに厳しい訓練が待っていそうなので、まずどこから行っていいのかよく分かりません。
全てを経験された○○さんから見て、今の私の現状なら、まずどこに行ったらいいでしょうか?」
それに対して、候補にあがっている全てを先行してやり切っていたその方はこう言いました。
「あのさ、ツヴォイ、いま言った全部は、それぞれにそれぞれの勉強の仕方があって、それは、お前にとって間違いなく為になるよ。
だから、お前の場合だと、いまのうちにどれからでも全部行っとけばいい。
でもな、大事なのは、どの勉強会に出ても、どこにでもいる奴はいて、
でも、そいつら全部できる奴かどうかと言えば違うんだ。
結局のところ、どの勉強会に出てても、頭角現す奴はどこでも頭角現して、
ダメな奴はどこ行ってても結局ダメなんだな(笑)。
だから、間違えちゃいけないのは、どの勉強会に行けば効率良く学べるかではなくて、
どの勉強会でも頭角現す奴は、一体どんな奴なのかっ、てことをよく見ておくことの方が大事なんだよ。
そこを間違えずに・・・・、お前の場合だったら、この順番がいいと俺なら思うけど、あとはお前が好きにすればいいよ。」
なるほど、確かにそうだな、スッゲーな、と思いながらも、
同時に、
「そんなこと言ったら、『元も子もねー』じゃん(笑)。」
とも思うのでした(笑)。
どの勉強会に出ても、そもそも、できる奴はできるし、できない奴はできない、なんてのは、言われてみればその通りで(笑)、
その通りとなればなるほど、この勉強会で勉強すればこうなれる、ということは「元も子もない」わけです(笑)。
ただ、実際に各勉強会に参加するその過程の中で、驚くことがあって、
参加する各勉強会の現場で、どの場でも、「あぁ、○○さんのお知り合いなんですか。あの人はスゴい人ですよね。」と、その方の名前が必ず出ることでした(笑)。
この事実は、私にとってはかなり説得力が高く、私の勉強会に出席する意識は、
① 勉強会そのものから何を勉強するのか?
② 勉強会に出ている頭角を現す人はどんな人で、その人の特性から何を学ぶのか?
の2つへと向かうことになるのでした。
それから20年経って・・・・、
私は、株式上場の経験をさせて頂くことになり、その方に報告とお礼の連絡をしたところ、一通りお話し最後に、
「なんだかんだ言って、お前は俺にはできなかったことをやったんだから・・・・、おめでとう。俺も負けないように頑張るよ。」
私よりもずっと前から株式上場を目論んでいて、結果としては断念したその方は、そうおっしゃいました。
なんだか報われるような気持ちになったと共に、その方とも色々あった月日が蘇り、改めて感謝の気持ちが込み上げたのを明確に憶えています。
どこから見ても、突き抜けていて、それが富士山だと誰にでも分かる富士山は、最初から富士山たる所以があって、
でも、そんなこと言ったら「元も子もない」から、今更何ともならないじゃん、とも思うけれども、
そんな「元も子もない」ようなことの中に、突き抜けて頭角を現すヒントや要素は隠されていて、
諦めることなく見つけようとすることはきっと大事なんだろな・・・・、
という事を、圧倒的過ぎてどうにもならない富士山を見ながら、
「元も子もねーな。」と諦めそうになりながら(苦笑)、思うのでした。