独自化ビジネス講座・01「傘屋もリサイクルショップも無職(笑)の今も、私にとっては全部同じです」

傘を売るのをやめても、傘屋の仕事は終わらなかった

「独自性のあるビジネスモデルを作りたい」

そう考える人は多いと思います。

そして、例えば、傘とコートとマフラーを組み合わせます。

残念ながら、それは独自性ではありません。

既によくある普通の品揃えという程度です。

物と物をいくら組み合わせても、そこに自分が入っていなければ、誰かにも同じことができます。

では、自分にしか作れないビジネスは、どこから生まれるのでしょうか。

傘とは何だったのか

私は、大手アパレル企業の営業の五年の経験の後、

家業の傘屋(洋傘メーカー卸売)の三代目として仕事をしていました。

業績が悪くなった頃で、次の商品や事業を考えなければならなくなった時、最初に考えたのは、新しい商品ではありませんでした。

そもそも、傘とは何なのか。

機能だけで言えば、雨や風から身を守る道具です。

しかし、私にとっての傘は、それだけではありませんでした。

雨の日を少し楽しくしてくれるもの。

雨の日の学校の帰りに母親が迎えに来てくれる、嬉しいもの。

一方で、うちは傘屋でしたから、母親ではない人が迎えに来ることもありました。

だから傘は、少し寂しいものでもありました。

同じ傘なのに、そこには嬉しさも、楽しさも、寂しさもある。

傘は雨を防ぐ商品であると同時に、人の喜怒哀楽を呼び起こすもの、が私にとっての「傘」でした。

傘を抽象化すると、リサイクルショップになった

私は傘の形から離れ、その奥にある本質を考えました。

物を通して、忘れていた体験を思い出す。

見たことのない物に出会い、新しい発見をする。

違う物を組み合わせ、自分なりの生活を作る。

毎日の暮らしを、少し楽しくする。

それが、私にとっての物販の本質でした。

その本質を、もう一度、自分の好きな物や得意な分野で具体化した。

それがリサイクルショップになりました。

傘屋とリサイクルショップ。

外から見れば、まったく違う商売です。

しかし、私の中では同じでした。

そして、今、このブログを書いている場所は、もともと傘の会社の小売部門があった実家です。

そこに今は、傘ではない物が大量に並んでいます。

片づいていないように見えるかもしれません。

いや、実際に片づいていません(笑)。

しかし、空間の本質は変わっていない。

物を通して何かを発見し、組み合わせ、生活を面白くする場所です。

私は傘を売るのをやめました。

でも、私にとっての傘屋の仕事は、まだ続いているのだと思っています。

コピーできない材料を入れる

独自性を作ろうとして、商品や手法を組み合わせる方法はあります。

傘とコートとマフラー。

店舗とSNSとAI。

コンサルティングとコミュニティと動画。

どれも組み合わせとしては成立します。

しかし、現象の組み合わせだけなら、他の誰かもできます。

コピーできないのは、自分が経験したことです。

その時、何が嬉しかったのか。

何が悲しかったのか。

なぜ、それを面白いと思ったのか。

そこから、どんな価値観を受け取ったのか。

自分の原体験と感情をいったん抽象化する。

そこから得た「本質」を、別の形でもう一度「具体化」する。

この「本質と具体化」の往復を繰り返すことで、ようやく「自分にしか作れないもの」が見えてきます。

独自性とは、誰も見たことのない物を発明することではありません。

誰も知らない自分の経験を、他の人にも価値のある形へ編集することなのだと思います。

その人にしかない独自性のあるビジネスモデルの作り方として、何回かに分けてお伝えしていければ思っています。

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