ツヴォイ式お絵描き055「アントニオ猪木」09
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- 坪井式イラスト
ピンチの連続を越えて、最後の最後の最後まで諦めずに、
最後の最後の最後の死力を振り絞って、感動の勝利を掴み取るという、最高の魅せ場こそが「アントニオ猪木」の魅力でした。
その代表とも言える必殺技が「卍固め」でした。
特に、最大のライバル「タイガー・ジェット・シン」との一連の戦いの最後に繰り出される「卍固め」の場面は最高で、
死力を振り絞る闘魂・猪木の表情とオーラと、
悪者を「正義で制圧する」「実力でねじ伏せる」「上から全身を覆い被す圧倒的立場観」という圧巻のパフォーマンスは当然ながら、
この技の痛みと凄みが克明に伝わる最大要素とも言える、激痛と苦しみに耐えるジェット・シンの悶絶ぶりも極めて重要で、
さらに、レフェリーが大慌てでギブアップかどうかを伺う立ち振る舞いも相まって、
全てのトータルが「名場面」「最高の見せ場」「絵」になるという、
プロレスの世界、そしてアントニオ猪木の世界ならではの必殺技だったと思います。
技の形だけなら覚えれば誰でもできるけど、でも猪木が出すと代名詞であり必殺技になるというこのリアルな現実こそは、
同じような商品・サービスが溢れ、それそのものに価値がなくなっているという昨今において、
では、人は何に価値を感じるのか?何を求めているのか?という、現代経営の課題に対する大きなヒントであり、
同じ本質があると、この技を観る度に思います。
プロレスビジネスの世界というは、深堀りするにつけ、人生や経営の学びと本質的に同義であると思っているプロレスファン・アントニオ猪木ファンは、私だけではないと思っています。
「プロレスなんて〇〇だろ。」
などという〇〇の中に入る幾多の単語は、過去何人にも、いくらでも、数えきれないほど聞いてきましたが、
そう言っては、一元的な側面でしか物事を認識できなくて、それ以上話が進まないような浅い人とは相容れない世界があるのもまた現実だと思っています。