これからの時代に必要とされる人材とは?のヒント

技術サービスが売上の中心のスタッフの皆さんとの研修でした。

分かりやすく言うと、いつもは、得意先へ精密機械の販売や取り付けや修理がお仕事の方達です。

言ってみれば、きらびやかで華やかな世界ではないと思うし、表舞台には出にくい後方支援とか縁の下の力的なお仕事とも言えるでしょう。

朝早くから遅くまで、本社から現場へと、時に近場、時に遠距離へ数日かけてと、多忙な日々を送っている中で、

いつも研修の日は時間調整して、楽しみに出てきてくれる方達で、私もお会いするのがとても楽しみな方達です。

私が経験したことのない業種業態だし、皆さんの話はとても興味深く面白い。

 

今回も、現在の業績アップや、これからの価値創造へ向けての研修を行っているのですが、その過程で、

「今までの人生で心に残っている出来事や、忘れられない感動体験を思い出して教えて下さい。」

というエクササイズをやりました。

制約はないので、いつの時代のことでも、仕事でも遊びでも何でも良かったのですが・・・・・、

 

一人は、

「まだ前職にいたある時期、このままじゃダメだと思うものの、でもどうしたらいいのか分からなくて、もうイヤになって、自暴自棄になっていた時があって、

そんな時、知り合って間もない女性に、お酒の席で酔っ払った勢いで、もう死んでしまいたいくらいの気持ちを吐露した時があって、それを聞いたその時の彼女の言葉、

『あなたは生きてるだけで意味があるんだよ。生きてるだけで意味があるんだから。そういうものなんだよ。』

と言われたことがあって・・・・、

最初は何言ってんのか分かんなくてキョトンとしてたんですけど、よくよく話を聞いているうちに、涙が出てきて、

その時の言葉が、今もずっと自分の核にあって、その後の人生や今の仕事にも繋がっているんです。

ん〜、だから、今でも色んな大変なこともあるし、俺はなんてダメなんだろう、と思うこともあるけど、

その考えを信じて、やっぱりいけるとこまで頑張ろうと思ってやってます。

その人は、その後、嫁さんになるんですけどね(笑)。」

と、教えてくれました。

 

ある一人は、

「前職のことなんですが、精密機械を医療施設に売る営業の仕事してたんですが、

何とか役に立てるようにと頑張って通って、結果として、それで成約してもらえることになったんですが、

最終の金額提示する時になった時に、お相手の方が小切手を出して、

『ここに好きな金額を書きなさい。その金額を支払うから。』

と言われたことがあって・・・・・、

それが、自分を認めてもらえた証明のように思えてとっても嬉しくて、心に残ってるんです。

その時は大して感動したわけではなかったんですが、年数が経った今思い返すと、すごいことだったんじゃないかと思えて、

同じ仕事するならそういう仕事をしたいという、それが、今の私の仕事観を創ってくれた忘れられない出来事です。」

 

3人目の人は、こう言いました。

「私の父親は、建築関係の仕事をしてたんですが、学歴もなくて、学もなくて、

どれくらいかというと、分かりやすく言うと、自分の名前も漢字で書けないくらいっていうくらいの人だったんですが、

でも、一所懸命働いて私達を育ててくれて感謝はしてたんですね。

で、その親父が亡くなった時に、遺品整理してたら、あるノートが出てきて、何かなぁと思って開いてみたら、

自分の名前や、色んな漢字が一杯書いてあって、親父は人知れず一所懸命努力して、練習してたんだなぁ、と分かったんです。

だから、私は、今までがどうだからと諦めるなんてことは絶対にしなくて、今から始める努力は絶対に裏切らないと信じてるし、何に対しても絶対に諦めないことが大事だと思ってるんです。

だから、二人の方が楽だなと思っても、コストを考えたら一人でできるようにするにはどうしたらいいかをまず考えるし、

3件こなすのが普通なら、どうしたら4件やってやるにはどうしたらいいのかとか、

忙しくなるのは嫌だなぁと思いながらも(苦笑)、ついつい考えてしまう、そういう考え方は、そういうことがあったからだと思ってます。」

 

ご本人達は、別に大したことなさそうに、ちょっと不器用に喋っていただけだと思いますが、

私は、一人一人の話に、いたく感動してしまい、そして、この人達は、次にどんなステージがきても、どんな業種業態に変わっていこうと、絶対に大丈夫だろうなと思うのでした。

この方達は、自分の美学や哲学に基づいて仕事をしていくだろうし、仕事と人生を繋げていける人というのはこういうことを言うのだろうな、と私は思うのです。

 

私の経験則で言うと、中小零細企業というのは、

今の業績を上げる為の目の前の努力もしながら、

未来の仕事をいかに創り出せるかの思考も、

その両方ともを、同一人物がしていかねばならないというのが一般的だと思っています。

 

そんな中、この3人の皆さんの話は、今後の展開が広がる期待が膨らみました。

こういう社員がいる会社は、強いですよ。最も大きな財産であり、逆に言うと見抜けないと大きな損失です。

 

多分、今後、営業だろうと、扱い商品が変わろうと、人事や教育に関わろうと、

プレーヤー部門だろうと、マネージャーへのステージに上がろうと、

今後、事業の形態や、業種業態がいかに変化していこうとも、

厳しくしようと、任せようと、

彼らの基準で解釈して勝手に努力して進んでいくのだと思えます。

 

まぁ、研修の時間内は、私のアホ話中心だったわけで(苦笑)、書いた通りのような雰囲気ではなくて、楽しかったわけですが(笑)、

私にとっては、これからの時代に必要な人材とは何か?ということを強烈に考えさせて頂ける時間でした。

 

皆さんには、

「今、売上を作っている仕事がなくなったことを前提に、そしたら、何のお仕事が自分はできるか?あるいは、やっていたいか?それを考えおいて下さい。」

と伝えておきました。

「えぇ〜、そんなこと考えたこともないですよぉ。」

すげぇ、面倒くさそうにしてましたけど(笑)。

 

そりゃそうでしょう、だって、研修が終わってからは、すぐに現実の今の仕事と、その仕事の課題解決が迫るのですからね。

私は、ただただ無責任に応援するのみで、うっとおしがられているかもしれません(笑)。

 

勉強させて頂けました。

ありがとうございます。

 

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