真っ先に大事なのは軸足を決めることです

20150219-1

業績が悪い時でも良かったことは必ずあるし、業績が良い時でも課題は必ずあります。

この程度は誰でも知っています(笑)。

大事なのは、ここからです。

まともな理想としては、「悪い時こそ良かった点を見つけてそこからヒントを得るようにして、良い時ほど浮かれずに課題をしっかり見つけて備えていこう。」みたいなことを業績会議とかで口では出したくなります(苦笑)。

ところが、実際にそこまでバランスの取れた人ってのは、私の経験則ではほとんどいません(苦笑)。

多くは、業績が良かれ悪かれ、いつも良い点を見つけてそこから広げていこうとするタイプか、業績が良かれ悪かれ、部下のできていないことや課題ばかりを見つけにいくタイプか、どっちか一方だったりします(笑)。

理想はあるものの、実際のリアルな会議の場で、臨機応変に元々持っている思考の根幹を切り替えるというのは、なかなかできるものではないのでしょうね。

どちらのパターンの風土も経験してきましたが、双方にメリットもデメリットもあります。

自分のタイプはどっちなのか、を知るには頭で考えるより、実際に会議で発言した文言を振り返ってみる方が早いです。

ということは、出てくる情報に対して都度アプローチを切り替えるということよりも、事前に、「この会議は徹底的に課題発見、この会議はどんな業績であろうと成果があった事例の共有。」と決め切ってしまってから会議に入るくらいで丁度いいでしょう。

もっと言うと、会議名を「課題発見と解決法10案出し会議」とか「成果のあった具体事例共有会議」とか、会議の名称を公開してメンバーを集めてしまうことでしょうね。

なぜなら、どんなに先に片方を決めてたとしても、結果としては、良い点も課題・問題点もどっちも出てますから(笑)。

逆に言えば、どっちも出すには、先に軸足を意図した方が理想に近づくということです。

良い点ばかりをフォーカスし続けるデメリットはあるにはありますが、私は、そのリスクよりも、何でもかんでも課題や問題点を見つけに行くタイプのデメリットの方が100倍重たいと思っています。

課題・問題点の抽出が、会社の会議の文化や風土になると、部下やメンバーは、傾向としてどんなに良い状況でも、無理矢理にでも課題や問題点を見つけに行こうとします。

それがないとメンバーは会議資料がつくれませんから(笑)。

課題や問題点が起こる原因を探ろうとすると、一番簡単なのは「人の問題」に焦点を当ててしまうことです(苦笑)。

よって、あいつが悪い、こいつが悪い、あいつがまだ育っていない、誰それのここが問題だ・・・、と、そんな感じになっていきます。

こういうのは恐ろしいもので、継続するうちに、課題・問題点を持った人だらけの会社になって、いつしか社内メンバー全員が「ウチの会社は課題・問題点のある人しかいない会社。」という認識になりきってしまいます。

私が恐いのは、会社全体として、こういう認識になりきってしまうことです。

業績が良くても悪くても、その要因が何であれ、こういう認識に知らぬ間になってしまったが最後、もうびっくり返せません。

そういう人達がたくさんいる会社や店舗に毎朝行きたい人なんていないし、そんな会社や店舗に好んで行きたいお客っているんですかね?(笑)

いねーよ(笑)。

いつもいつも課題や問題点を発見して指摘することが仕事だと思っているような、とても不思議な人はいますが(笑)、そんな無責任で無能なリーダーやトップのいる組織の人達はもれなく課題や問題点を前提にする人達に、やっぱりなっています(苦笑)。

お客というのは、当然ながら、その会社や店舗が自分にとってどんなメリットがあるのかしか考えていません。

自分が客だったら、課題や問題点だけしか認識していない人のいる会社や店舗にはそもそもいきません(笑)。

そんなとこ行ったら、こっちの頭がおかしくなります(笑)。

私が最も恐いと思っているリスクはここです。

本来は、もっと価値を高めて、それを自覚して、顧客に伝えていこうとしていたのに、それを実行する為の課題・問題点ばかりに気を取られ、気がついたら、課題・問題点しかない会社・店舗になっていたという、まるで漫才のような(笑)状況に陥っていくことが恐いのです(苦笑)。

何かをやれば、同時にその他の何かはやれないのは普通です。

何をやっても、デメリットは常に付きまといます。

デメリットを潰そうとすれば、そもそもやろうとしていた何かをする時間はなくなって当然なのです。

ならば、デメリットが気にならないくらいに、そもそも選択した何かを徹底的に磨いて圧倒的にすべきというのが私の考え方です。

私が事業コンセプトであれ、会議体であれ、何はともあれ先に軸足を決めた方がいいと主張するのは、この恐さから逃げたいからなんですね(笑)。

と、いうようなことを、口でタバコを吸いながら、鼻からも同時に吸えるかな? と思って、やってみたものの、やっぱり無理だった時に思いつきました(笑)。

軸足は先に決めよう。
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