看板屋さんの娘にみるプロの姿勢

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TOSBOI STUDIOの外装を手掛けてくれたイチゴスタジオの柳瀬社長が来てくれました。

何でも、「何とかグッドデザイン何とかアワード何とか大賞」(笑)とかにウチの外装を応募して下さっているようで、第1次選考が通過されたとのこと。で、次への選考会の為に私の印鑑がいるそうです。

待ち合わせ時間が近づいたので、シャッターを開けたら、柳瀬ちゃんが立っている。

(変な外装なので色んな人が何かの店と間違えて不思議そうに覗くので、日頃はシャッター閉めてる(笑))。

「あれ?ゴメン、まだ早いと思って・・・。待った?」

と聞いたら、

「あ、いえ、待ってたというか・・・・、ちょっと前から気になってたとこがあって・・・、シャッターのサイドの汚し加工のとこがホントはもうちょっとグラデーションっぽく自然に仕上げたかったんですけど・・・・、坪井さんのブログの画像みる度に気になってて・・・・、すいません、勝手にヤスリがけしちゃってました(苦笑)。

あの・・・・、ついでだから、もうちょっとやっててもいいですか??」

とのこと。

その箇所は、ホントに細かくて画像で見てもパッと見には分からないとこ(笑)。

「どーぞ、どーぞ。」と言いながら、ちょっとの待ってる2〜3分の間、この娘はホントにスゲーなぁと思ったわけです。

 

よく、ビジネス雑誌なんかの特集で「効率的な仕事の進め方」みたいのがあって、「100%は目指すな。完璧を目指し過ぎるとスピードが遅くなる。それより、60〜70%でもいいから先に進めていった方がいい。評価は相手が決めることだから。」みたいな記述を目にするんだけど・・・、

それは、まぁ、一つの考え方だし、時と場合や仕事内容にもよるのだろうけど、私は個人的には違和感を覚えてしまうのですよ。

 

プロの自覚があるなら、前提としては持てる力の100%を出すべきでしょ。

それでも、あぁすれば良かった、もっとこうできたのではないか?と、この仕事は果たして自分の100%だったのだろうか?と、悔いては、反省しては、次へと向かって、少しづつ技術も質も高まっていくのが、プロとしては普通の姿勢ではないか?と私は思うのです。

要するに、100%のつもりでやっても、時間や状況の制約下、結果として60〜70%になってしまった、というのなら分かるのです。

でも、最初から60〜70%でいいから、なんていう心持ちで進んだら、出来上がるものが30〜40%になるんじゃないか?・・・そして、それはストレートに相手に伝わってしまうのではないか?という怖さが付きまとうのですね、私の場合は。

ドンドン速くする、ドンドン安くする、ドンドン多くして、市場シェアをいかに高めるかというのは、超大手企業さんが考えて、やってくれて、あぁ豊かな世の中になって良かったね、って言ってれば、それはそれでいいと思うは思うけど、果たして中小・零細・個人に至るまでの全てのビジネスパーソンに当てはまるのか?

私は当てはまらないと思っているので、そんな本を読んで人生の成功法則だなんて勘違いして、だから60〜70%で要領よくやっていったらいいのさ、なんてのを前提にしたら、そいつの人生終わるだろ?と思ってます。

そうなるとね、もう仕事なのか、趣味なのか、よく分からないけど、プライドにかけてとか、好きでやってるんだからほっとけよとか、そういうことが原点にないと無理なんだろうなぁ、とも思うし、待ってる少しの時間内に、「あぁ、やっぱり柳瀬ちゃんにお願いして良かったなぁ。こういう人なら大切な人にもオススメできるし、こうして自分のブログにも堂々と紹介できるよなぁ。」と思うわけです。

この人は本当に「好き」でこのお仕事をしてるんだろうな、と思った、たった2〜3分の出来事でした。

 

グッド何とかデザインアワード、そんな想いや気持ちも一緒に伝わるといいですね。

私も選考に通っていくように応援しています。

でも、柳瀬ちゃんにとっては、単なるプレッシャーだね、この投稿(笑)。

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